Tizenでは基本的にIDEを利用してソースコードのビルドやパッケージングが出来ますが、IDEを利用せず、コマンドラインでも実施可能なので、そのやり方について記載します。
- 利用準備
- プロジェクトの作成
- makefileの作成
- makefileの実行
- tpkファイルの作成
- tpkファイルを端末(エミュレータ)にインストール
- tpkを実行させる
確認した際のTizenSDKは2.2で、OSはMacOSXとなります。
なお、詳細なコマンドオプションなどについては公式ドキュメントのCommand Line Interfaceという欄に記載があります。
利用準備
利用する為にはTizenSDKのインストールが必要となります。 インストール後、コマンドにパスを通す事で利用が出来ます。 私の場合、TizenSDKはhome配下に配置したので以下のようにました。
vi .bashrc # export Tizen CLI Tools export PATH=$PATH:/Users/toshihirock/tizen-sdk/tools/ide/bin
プロジェクトの作成
native-genコマンドを利用する事で新規にTizenプロジェクトが作成できます。 例えば、Helloというプロジェクト名、テンプレートでEmptyApplication(起動は可能だが、白い画面が出るのみ)を選ぶ場合には以下のコマンドとなります。
native-gen -n Hello -s empty Creating a project: Hello... A project was created successfully in /Users/toshihirock/tizen_workspace/Hello To build a project, run native-make in /Users/toshihirock/tizen_workspace/Hello/CommandLineBuild.
上記によってカレントディレクトリにHelloというフォルダが作成され、その配下にテンプレートのコードや設定ファイルが存在します。
-nでプロジェクト名称、-sでテンプレートを選択しています。(その他オプションもありますが、割愛) 詳細なオプションはマニュアルを確認頂ければと思います。
IDEでプロジェクトを作成した時との違いとして、プロジェクト配下にCommandLineBuildというコマンドラインでビルドなどを行う為のフォルダが作成されます。
makefileの作成
デフォルトのソースコードに対応したmakefileはCommandLineBuildフォルダ配下に存在しますが、ソースコードが追加、削除になった場合、makefileを修正する必要があります。
上記についてはプロジェクト作成時同様にnative-genコマンドを利用する事で、makefileのみ更新する事が出来ます。(ただし、現状はTizenのバグなのか分かりませんが、src直下のコードのビルドしか対応しておらず、srcの下にさらにフォルダがある場合には正しいmakefileが作成されないようでした。。。)
先ほどのHelloプロジェクトのmakeifleを再作成する場合、以下のようにします。
cd Hello native-gen makefile -t app A makefile was created successfully in /Users/toshihirock/tizen_workspace/Hello/CommandLineBuild. To build a project, run native-make in /Users/toshihirock/tizen_workspace/Hello/CommandLineBuild.
上記によってmakefileが再作成されます。(既にmakefileが存在する場合でもOKです)
-tオプションでプロジェクトの種類を指定します。
- app
- static
- shared
なお、TizenIDEでプロジェクトを作成したが、CLI用のmakefileを作成したい場合、IDEで
- 対象のプロジェクトを右クリック→Generate Command Line Configuration
でCommandLineBuildフォルダ配下のファイルを作成する事も可能です。
makefileの実行
makefileの実行はCommandLineBuildフォルダに移動し、native-makeコマンドを利用して実行します。
cd CommandLineBuild native-make
成功するとCommandLIneBuild配下にexeファイルが作成されます。
tpkファイルの作成
Tizenのネイティブアプリは.tpkというファイルにパッケージングする必要があります。 上記についてはnative-packagingコマンドを利用します。 なお、利用の際に証明書の場所及びパスワードについて指定して実行します。
native-packaging -ak /Users/toshihirock/tizen-sdk/tools/certificate-generator/ryan.p12 -ap mypassword
-akオプションでは証明書のパスを指定し、-apオプションで証明書のパスワードを設定しています。 上記実行後、CommandLIneBuild配下にtpkファイルが作成されます。
tpkファイルを端末(エミュレータ)にインストール
native-installコマンドを利用する事でエミュレータにtpkをインストールできます。
native-install -p vqZpHSuVeq-1.0.0-i386.tpk
-pオプションでインストール対象のtpkファイルを指定しています。 また、上記はエミュレーターが一つのみ起動している場合のコマンドとなります。
端末がないので分かりませんが、端末を接続し、エミュレーターも起動している場合にはどちらにインストールするか指定する必要があります。その場合には-sオプションを利用してserial numberを指定する必要がありそうです。
tpkを実行させる
native-runコマンドを利用する事でtpkを実行できます。
native-run -p vqZpHSuVeq
-pオプションでパッケージ名称を指定することでエミュレーターでアプリが起動する事を確認できます。
最後に
native-uninstall、native-debugというコマンドも存在しますが、調査しきれなかったので割愛します。。。。
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