Tizenネイティブアプリ開発時のUnitテストについて試してみたのでメモ。
Tizenのネイティブアプリ開発ではC++での開発となりますが、テストはどうするのかというと標準でGoogle C++ Testing Frameworkが同梱されており、公式ドキュメントでもこれを使うような記述があるのでこれを利用するのが一般的ではないかと思われます。
上記リンクからTizen Native App Programing→IDE and Tools→Unit Test Toolと辿るとTizen公式ドキュメントが確認できます。
今回の例ではサンプルアプリにクラスを追加し、そのクラスに対してテストを行ってみます。 手順は以下の通りです。
- テスト対象プロジェクト作成(サンプルアプリ)
- テストプロジェクトの作成
- テストプロジェクトの編集
- テストプロジェクトの実行
なお、公式ドキュメントにテストの項目の欄で以下の記述があるため、注意が必要ではあります。
- The unit test tool is designed to support only functional testing.
- The unit test tool is not an OSP-based application. Therefore, certain methods related to the OSP application framework, such as the methods of the Tizen::Base::String class, can behave incorrectly.
超適当な意訳
- functionテストのみがサポートですよー。
- このUnit Test toolはTizen用のテストツールって訳じゃないよ。なので、Tizen::Base::Stringクラスとかいくつかのメソッドなどは誤った動作するかと思われます。
ま、まじでか。 とか思って試しにTizenのStringを利用したテストコード書いてみましたが、一応大丈夫でした。 保証はできないってことか、な。
確認環境など
- MacOSX 10.8.4
- TizenSDK2.1(IDEやSDKなどはインストール済み)
1.テスト対象プロジェクト作成(サンプルアプリ)
まずはテスト対象のHellWorldプロジェクトをTizenIDEを利用して作成します。
- File→New→Others
- Tizen→Tizen Native Project
- Templateタブを選択→Tizen Native→Form-based Application→With SceneManagerを選択。Project Nameは任意の名前でOKですが、本例ではHelloWorldとします。
これでとりあえずプロジェクトができます。
次にUtilクラスを追加します。
とりあえずこんな感じでメソッドを2つ作ってみました。(C++初心者なので書き方がまずいかもしれませんが、とりあえず許して下さい。。。)
Util.h
#ifndef UTIL_H_ #define UTIL_H_ #include <FBase.h> class Util { public: int Sum(int x, int y) ; void AppendWorld(Tizen::Base::String& base); }; #endif /* UTIL_H_ */
Util.cpp
#include "Util.h" int Util::Sum(int x, int y) { return x + y; } void Util::AppendWorld(Tizen::Base::String& base) { base.Append("World!"); }
Sum関数では引数に渡した2つの引数の加算を行った結果を返却します。
AppendWorld関数では引数に渡したTizen::Base::Stringクラスの参照引数を利用してAppendメソッドを呼び出して、引数に渡された文字列の末尾に“World!”という文字列を追加します。
今回は上記2つのメソッドに対してそれぞれテストコードを書いてみます。
2.テストプロジェクトの作成
Tizenでテストを行う場合、テスト対象のプロジェクトとは別に新規にテスト用プロジェクトを作成する必要があるようです。 以下の方法で作成を行います。
- File→New→Others
- Tizen→Tizen Native Unit Test Project
- Select the Tizen Project for testの箇所でHelloWorldを選択。
これでHelloWorldプロジェクのテストプロジェクトの完成です。 デフォルトで以下のようなテンプレートテストコードが作成されます。
HelloWorldTest.cpp
include "tizenx.h" #include "Util.h" #include "HelloWorldPanelFactory.h" #include "HelloWorldMainForm.h" #include "HelloWorldFrame.h" #include "HelloWorldFormFactory.h" #include "HelloWorld.h" #include "AppResourceId.h" #include <gtest/gtest.h> class TestSuite : public testing::Test { protected: // virtual void SetUp() will be called before each test is run. // You should define it if you need to initialize the variables. // Otherwise, you don't have to provide it. virtual void SetUp() { } // virtual void TearDown() will be called after each test is run. // You should define it if there is cleanup work to do. // Otherwise, you don't have to provide it. virtual void TearDown() { } }; // When you have a test fixture, you define a test using TEST_F. // Otherwise, you define a test using TEST. TEST_F(TestSuite, test01) { ASSERT_TRUE(true); } TEST_F(TestSuite, test02) { ASSERT_TRUE(false); }
先ほど作成したUtilクラスのヘッダファイルもincludeされているのでテストコードが追加できそうです。
3.テストプロジェクトの編集
HelloWorldTest.cppにSum関数、AppendWorld関数のテストコードに以下のように追加(編集)します。 なお、test02はデフォルトだと実行するとNGとなってしまうので、こちらも変更します。
TEST_F(TestSuite, test02) { ASSERT_TRUE(true); } TEST_F(TestSuite, test03) { Util *p = new Util(); ASSERT_EQ(3, p->Sum(1, 2)); delete p; } TEST_F(TestSuite, test04) { Util *p = new Util(); Tizen::Base::String hello = Tizen::Base::String("Hello"); Tizen::Base::String helloworld = Tizen::Base::String("HelloWorld!"); p->AppendWorld(hello); ASSERT_EQ(helloworld, hello); delete p; }
test03ではSum関数の引数に1と2を渡し、結果で3がかえってくる事を確認しています。
test04ではHelloという文字列のTizen::Base::Stringクラスを作成し、AppendWorld関数を利用する事で“HelloWorld!”という文字列になる事を確認しています。
なお、利用しているGoogle C++ Testing Frameworkについては以下の翻訳サイトを参考にさせて頂きました。(まだ全然読めてないですが)
Google C++ Testing Frameworkをはじめよう
4.テストプロジェクトの実行
いよいよテストを実行します。 テストの実行及び結果の確認はTizenIDEで実施できます。
テスト対象のプロジェクトのビルドをしてからテストコードの存在するプロジェクトをビルドします。
- HelloWorld→右クリック→Build Project
- HelloWorldTest→右クリック→Build Project
なお、先にHelloWorldTestの方をビルドすると以下のような先にテストする方のプロジェクトしろよ的なメッセージが出ます。その場合、メッセージの通り先にテスト対象のビルドを実施し、その後再度テストプロジェクトのビルドをすればOKです。
次にエミュレーターを起動します。 個人的にはエミュレーターなしでやりたかったのですが、IDEから実行するときは必要だったのでやっておきます。
さてこれで準備がすべて終わったのでいよいよテストを実行します。
- HelloWorldTest→右クリック→Run As→Tizen Native Unit Test Application
これで実行されるのでしばし待ちます。
結果はIDE上のTest Resultで確認できます。
また、上記左にあるTest Exploerを利用すると特定のテストコードのみの実行ということも可能です。
Tips
設定を行う事で以下が可能なようですが未確認。
HelloWorldTest→右クリック→Run As→Run Configurations
- Run Disabled Tests
- Shuffle Tests
- Don’t Print Elapsed Time
- Generate and XML Report
Jenkinsとかとも連携さたいので今後はCLIからの実施方法なども確認したい。
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