Gitのリモートリポジトリを作る必要がありそうな感じだったので、試しにVagrantのProvisioning機能を利用してVM起動時にGitのリモートリポジトリを作るshellを作って試してみたのでその時のメモ。
前提条件
- ホストマシーンはMacOSX10.9.1で、Gitはインストール済み
- 仮想環境はCentOS6.4を利用
- 仮想環境にGitのリモートリポジトリを作成し、ホストマシーンでcloneしたり出来るまでを実施
目次
- Vagrantのインストール
- Vagrantを利用したCentOS仮想環境の構築
- 仮想環境のCentOSの作成、起動
- 仮想環境にプライベートIPアドレスを設定する
- 仮想環境にGitのリモートリポジトリ作成
- まとめ
- 参考サイト
1.Vagrantのインストール
Vagrantを利用する際にはVirtualBoxが必要なので予めインストールしておきます。
Vagrantの公式サイトのDownloadからOSにあったVagrantをダウンロードしてインストールします。(たしかOK連打でOKだったはず)
2014年1月26日現在以下のOSのものが配布されているようです。
- MacOSX(32bit or 64bit)
- Windows(32bit or 64bit)
- Debian/Ubuntu(32bit or 64bit)
- CentOS/Fedora/Redhat(32bit or 64bit)
インストールが完了するとTerminalでvagrantコマンドが使えるようになっているはずです。
$vagrant --version Vagrant 1.4.3
2. Vagrantを利用したCentOS仮想環境の構築
注意:Boxの取得は大きなファイルのダウンロードとなる為、通信速度が早い所で実施するのがおすすめです
Vagrantで任意のOSの環境を構築する際に対応するOSのBoxというものが必要となります。
入手可能なBoxの一覧はこちらから確認できます。
取得したいBoxのURLが分かったらvagrant box addコマンドを利用してBoxを取得します。ざっくりの書式は以下の通りです。
vagrant box add {title} {url}
詳細を知りたいときはvagrant box add -hで調べて下さい。
titleにはvagrantで保存するBoxの名称を記載します。例えばcentos6_4という名称でBoxを保存したい場合は以下のようなコマンドを実行します。
$vagrant box add centos6_4 http://developer.nrel.gov/downloads/vagrant-boxes/CentOS-6.4-x86_64-v20130731.box
ダウンロード完了後、vagrant box listコマンドを使ってBoxの取得が出来ているか確認します。
$vagrant box list
centos6_4 (virtualbox)
上記のようになっていればダウンロードが完了しております。なお、Boxファイルの実態は~.vagrant.d/boxesにあります。
3. 仮想環境のCentOSの作成、起動
準備が出来たのでいよいよCentOSの仮想マシンを作成します。
適当な場所にVagrant用のフォルダを作成し、移動します。
$mkdir -p ~/vagrant/centos64/ $cd ~/vagrant/centos64/
上記の場所でvagrant initコマンドを実行し、仮想環境で利用するBoxを指定します。 先ほどダウンロードしたcentos6.4という名称のBoxを利用する場合には以下のコマンドとなります。
$vagrant init centos6_4
上記を実行するとカレントディレクトリにVagrantfileというものが作成されます。
中身を見ると分かりますが、このファイルの中で利用するBoxを何にするか記載してあります。
config.vm.box = "centos6_4"
また、その他仮想環境に関する設定情報などが本ファイルに記載してあります。
ちょっと話が逸れましたが、次にVMを起動します。 カレントディレクトリにVagrantfileがある場所で以下のコマンドを実施します。
$vagrant up
少し時間が経つとVMが起動したことが分かります。
起動後、以下のコマンドでSSHログインが可能です。
$vagrant ssh
上記でvagrantユーザーでログインができます。簡単ですねー。
その他VMを操作するコマンドとしてはよく利用するのは、シャットダウンさせるvagrant halt、中断させるvagrant suspend、また再会のvagrant resume、環境を破棄するvagrant destory、Vagrantfileの変更を再読みするvagrant reloadあたりでしょうか。詳細やその他コマンドは公式ドキュメントVagrant Documentを見て下さい。
4. 仮想環境にプライベートIPアドレスを設定する
GitリポジトリをVagrant上に作成してアクセスしたいのでVagrant環境に任意のプライベートIPアドレスを指定したいです。
上記の方法は簡単でVagrantfileを編集すればOKです。
#config.vm.network :private_network, ip: "192.168.33.10"
という記述が27行目当たりにあるのでコメントアウトを外します。
config.vm.network :private_network, ip: "192.168.33.10"
上記実施後、Vagrantfileを再読みさせたいのでvagrant reloadコマンドを利用します。
$vagrant reload
とするとVagrantfileが再読み込みされ、VMが再起動します。
vagrant sshしてifconfigコマンドなどを利用するとIPアドレスが設定されているか確認できるかと思います。
上記を利用して例えばvagrant上にapacheを立てて、ホストからhttp://192.168.33.10などでアクセスも可能です。(iptablesを設定している時は解除が必要な場合があります)
なお、Vagrantfileが存在するディレクトリとVMの/vagrant/配下は共有フォルダになっているのでファイルの受け渡しはこちらを利用すると便利です。
5. 仮想環境にGitのリモートリポジトリ作成
基本的な設定は終わったのでVagrantのCentOS6.4にGitのリモートリポジトリの環境を作ります。
と言っても普通に作ってはVagrantでも意味ないよね、という事でVagrantの起動時に自動的にソフトウェアなどをインストールするProvisioing機能を使ってGitリモート環境を作ってみます。(ChefやPuppetとも連携できるみたいですが使った事ないので残念ながら今回はシェルで。。。)
という事でやりかたですが、起動時にシェルを実行する場合にはVagrantfileに以下のような記述を追記します。
config.vm.provision "shell", path: "provision.sh"
上記のような記述をするとカレントディレクトリに存在するprovision.shをvagrant upした時に実行してくれます。
という事で起動と同時にリポジトリを作るシェルを作成してみました。
# install git sudo yum -y install git # create git group sudo groupadd git # add git group sudo usermod -a -G git vagrant # create git repository sudo mkdir -p /var/public_git/.test.git sudo git init --bare --shared /var/public_git/test.git sudo chown -R root:git /var/public_git
少し、説明を記載します。
- 2行目でGitをインストール
- 5行目でGit用のgitグループを作成
- 8行目でvagrantユーザー(sshでログインするユーザー)にgitグループを追加
- 11行目でGit用のフォルダの/var/public_git/test.gitを作成
- 12行目で作成したフォルダに共有リポジトリを作成
- 13行目で作成したフォルダのグループをgitグループに変更
上記によってgitグループのユーザーはcloneが出来るようになります。
試しにホストのMacからgitグループとなっているvagrantユーザーでcloneしてみます。
下記コマンドを実行するとvagrantユーザーのパスワードが聞かれるのでパスワードのvagrantと入力するとcloneが成功する事が確認できます。
$git clone ssh://vagrant@192.168.33.10/var/public_git/test.git Cloning into 'test'... vagrant@192.168.33.10's password: warning: You appear to have cloned an empty repository. Checking connectivity... done
また、試しにpushもしてみます。
$cd test $touch abc.txt $git add abc.txt $git commit -m "First Commit" $git push origin master
ついでにgit用のユーザーを追加して確認してみます。
$vagrant ssh # 以降仮想環境での操作 $sudo useradd git_user -g git $sudo passwd git_user $exit
では追加したユーザー(git_user)で適当なディレクトリに移動し、cloneしてみます。
$git clone ssh://git_user@192.168.33.10/var/public_git/test.git
先ほどpushしたabc.txtも確認できます。
まとめ
上記のように一度シェルを作ってしまえば、例えば設定を誤ってしまった時も
$vagrant destroy $vagrant up
とすればまた同じ環境が手に入るので便利です。複製も何個でも出来ますし、便利。
Vagrantは単語は知っていたのですが、そんなに学習コスト高くない割に恩恵が大きい気がします。 今後時間あるときはChefも勉強してみてもっと俺俺レシピを作りたいです!
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